多様な活動につながる「書くこと」に注目し、あまり「作文」を意識しないで「書く」力を向上させる実践を試みた。特に、「書くこと」の目的と機能を意識し、子どもたちの「書きたい」気持ちを掘り起こせるような活動を組み立てようと工夫した。

筆者は、現在の勤務地に赴任するまで、他地区の公立小中学校で、外部指導者として中国引揚児童・生徒を主な対象に、日本語指導・適応指導を10 年間担当してきた。当稿は、その体験に基づき、まとめたものである。

1. はじめに　2. A中学校及び調査の概要　3. 「存在証明」と中国帰国生徒の「声」　4. 国際理解教育実践と「共有」　5. おわりに

Marco Sottile さんは、フランスからの交換留学生として来日して愛知県立大学で学び、日本語教員課程の教育実習にも参加しました。本号で紹介するレポートは、同大学『2001 年度 日本語教育実習報告書』(2002 年11 月発行)に、...

本稿では、帰国者二世世代（一部三世を含む）を対象とした２つの調査の結果を検討し、彼らの日本語学習・習得と就労等の問題について考察を加えたい。

非識字者であることの辛さを痛感してきた人にとっては文字を獲得することの意味は小さくないと考えられる。その意味でも高齢の学習困難者の意欲を尊重した学習支援の方法・内容を考えることには意義があるだろう。

本稿では、中学生クラスにおけるこの読み書き指導の一環として実践してきた「“文章の型”を利用した作文プログラム」の実践報告に焦点を当てて、来日後初期段階における中学生(12､3〜15､6 歳)に対する読み書き支援のあり方について考察を行う。

０．はじめに　１．センターの交流事業がめざしたこと　２．「センター主催による交流活動」の推移　３．「地域のボランティア育成／ボランティアネットワーク構築 のための研修会『まなびや』の開催」　４．「地域に根ざした交流活動への支援」

1．「教室」に参加していない人々の生活状況　2．移住プロセスから日本語学習をとらえる　3．中国帰国者2 家族の事例　4．考察 ― 移住プロセスからみた日本語学習の諸相

帰国者が、自己表現することの糸口となるように作られたのが「遠隔学習課程(通信教育)」の〈自己表現作文コース〉である。本稿では、このコースを開設した背景、対象となる帰国者像、作文完成のプロセスなどを紹介し、実際の受講者の作文を通して、本コース...